失くしたあなたの物語、ここにあります
うららは気まずかったが、高校時代の嫌がらせなんて忘れたかのような、あいかわらずマイペースな海に誘われて、駅前にあるルッカでお茶することになった。
「綿矢さんって、ミックスに載ってた子だよね」
渚さんは初対面の気がしないと言って、親切に接してくれた。
彼は3歳年上の大学生で、これから待ち受ける大学生活への希望で胸いっぱいだったうららに、大学は違うけど、わからないことがあったら聞いてくれてかまわないから、と言ってくれた。
それから、どこで連絡先を入手したのか、海からメールが届き、海を通じて渚さんからうららに連絡が入るようになった。
その年の夏、渚さんと海、真樹の四人でキャンプに出かけたこともあった。やっぱり、海とは馬が合わないと感じることは多かったけど、渚さんは違った。
恋に落ちるのは簡単だった。いつしか、うららは渚さんからの連絡を心待ちにするようになった。だけど、海を通さず、直接連絡が欲しいとは恥ずかしくて言い出せなかった。
「渚さん、いい人だよね。また四人で出かけたいねって言ってたよ」
真樹と電話で話してるとき、うららはそう言った。
「真樹?」
しばらく無言が続いて、切れちゃったのかなって心配していると、真樹が深刻そうな声音で言った。
「渚さんね、私の大学の先輩の知り合いだってわかったの」
「え、そうなの?」
初耳だ。渚さんは他大学の人との交流はなくて、交友関係は広くないと言っていたから。
「うん。それで、聞いちゃったんだ」
「聞いたって、何を?」
「彼女いるんだって、渚さん」
「そうなんだ」
「綿矢さんって、ミックスに載ってた子だよね」
渚さんは初対面の気がしないと言って、親切に接してくれた。
彼は3歳年上の大学生で、これから待ち受ける大学生活への希望で胸いっぱいだったうららに、大学は違うけど、わからないことがあったら聞いてくれてかまわないから、と言ってくれた。
それから、どこで連絡先を入手したのか、海からメールが届き、海を通じて渚さんからうららに連絡が入るようになった。
その年の夏、渚さんと海、真樹の四人でキャンプに出かけたこともあった。やっぱり、海とは馬が合わないと感じることは多かったけど、渚さんは違った。
恋に落ちるのは簡単だった。いつしか、うららは渚さんからの連絡を心待ちにするようになった。だけど、海を通さず、直接連絡が欲しいとは恥ずかしくて言い出せなかった。
「渚さん、いい人だよね。また四人で出かけたいねって言ってたよ」
真樹と電話で話してるとき、うららはそう言った。
「真樹?」
しばらく無言が続いて、切れちゃったのかなって心配していると、真樹が深刻そうな声音で言った。
「渚さんね、私の大学の先輩の知り合いだってわかったの」
「え、そうなの?」
初耳だ。渚さんは他大学の人との交流はなくて、交友関係は広くないと言っていたから。
「うん。それで、聞いちゃったんだ」
「聞いたって、何を?」
「彼女いるんだって、渚さん」
「そうなんだ」