失くしたあなたの物語、ここにあります
そう声をかけても、悠馬は無言でうなずくだけだった。困っていると、天草さんがノートパソコンをカウンターの上に移動させる。
「探すよ。なんていうタイトル?」
「無色の終夜」
天草さんが尋ねると、意外にも、悠馬はすんなりと口を開いた。彼をずいぶん信頼してるみたいだ。
「無色の……どっかで聞いたことあるかも」
沙代子が言うと、天草さんもキーボードを叩きながらうなずく。
「ちょっと前に発売されたベストセラー作品じゃないかな。……あ、ああ、あった。2年前だね」
「あるのっ?」
やっぱり。悠馬を待ってくれていたのだと、沙代子は内心喜んだ。
「あ、待って。ごめん。今は店にないみたいだ。倉庫にあるはず」
「倉庫って、天草農園の?」
たしか、前にも本棚に入りきらない本は全部、実家に置いてあると聞いていた。
「そう。今日は商工会の会長さんと約束があってさ、明日もほかの店主さんとの集まりがあるから、週末に探してみるよ。それでもいいかな?」
「忙しいのに、ごめんなさい。悠馬、どうする?」
「急いでないから、いつでもいい」
ぽつりとつぶやくと、悠馬はあきらめにも似た表情で、まぶたを伏せた。
「探すよ。なんていうタイトル?」
「無色の終夜」
天草さんが尋ねると、意外にも、悠馬はすんなりと口を開いた。彼をずいぶん信頼してるみたいだ。
「無色の……どっかで聞いたことあるかも」
沙代子が言うと、天草さんもキーボードを叩きながらうなずく。
「ちょっと前に発売されたベストセラー作品じゃないかな。……あ、ああ、あった。2年前だね」
「あるのっ?」
やっぱり。悠馬を待ってくれていたのだと、沙代子は内心喜んだ。
「あ、待って。ごめん。今は店にないみたいだ。倉庫にあるはず」
「倉庫って、天草農園の?」
たしか、前にも本棚に入りきらない本は全部、実家に置いてあると聞いていた。
「そう。今日は商工会の会長さんと約束があってさ、明日もほかの店主さんとの集まりがあるから、週末に探してみるよ。それでもいいかな?」
「忙しいのに、ごめんなさい。悠馬、どうする?」
「急いでないから、いつでもいい」
ぽつりとつぶやくと、悠馬はあきらめにも似た表情で、まぶたを伏せた。