《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「イザベラ、あなた」
「ふふ、わたくしはただ叔父様に《事実》をお伝えしたただけ。ああ、そういえば」
信じられない、と呟く取り巻きたちのなか、アメジストの双眸を眇めたイザベラが続ける。
「叔父様のあのお怒りようだと『懲罰室行き』はどうやら免れなさそうね。気の毒だけれど!」
気の毒だと言っておきながら、イザベラの薔薇の唇には勝ち誇ったふうな微笑みが浮かんでいる。『懲罰室』と聞いた周囲の聖女たちが怯えたふうに目を見開き、恐々とユフィリアを見遣った。
「……懲罰室」
一瞬にして頬が蒼白となったフィリアが、ごくりと喉を鳴らす。背中が冷たくなって、額にじゅわりと厭な汗が滲んだ。
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時はこの日の明け方にまで遡る。
自室に戻ると、レオヴァルトは部屋の広さにしてはやたら小さなスツールに腰をはめ込むようにして座った。額に手をやって項垂れると、大きな吐息がほうっ、とひとつ吐き出される。
「……いったいどういう事なんだ」