《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!

 ——私が見た《月の女神》は、確かにユフィリアだった。

 昨夜も従者たちの居場所を探して教会の敷地を探っていたレオヴァルトだが、ネズミ一匹いないはずの裏庭に不審な影を見た。
 気になってあとをつけると、黒いローブを羽織った人影は幾重にも折り重なった低木の茂みの中に入っていく。

 距離を取りながら、息を殺して追っていく。しばらく行くと根元が微かに光る巨木があり、影はその手前で立ち止まった。

 巨木の後方は堅牢な教会の塀が続き、この場所には四六時中、魔獣除けの結界が張られている。魔獣はもちろん人が通り抜けることもできない。
 どうするつもりかと眺めていると、影はチラと周囲を見回してから、ローブのフードを下ろした。

 ——あれは……

 派手なツインテール姿ではなかった。
 おろした長い髪はたっぷりと長く、月光ともみまごうような美しい銀髪だ。

 ——ユフィリア……?
 


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