《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
薄くまぶたを開けると、すぐ目の前を何かが慌てたようにサッと動くのが見えた。
だんだんはっきりしてくる視界が捉えたのは、驚いたふうに目を丸くした黒騎士レオヴァルトの面輪と、そして今まさに引かれたばかりの彼の手のひら。
「……え……? ちょっ……」
寝台の脇のスツールに腰掛けたレオヴァルトは黄金《きんいろ》の瞳をすっと逸らし、行き場を失った宙ぶらりんの手をおもむろに引っ込める。
──……まさか、レオに頭を撫でられてた……?!
引いた手を口元に持っていくと、レオヴァルトは視線をそらせたまま「こほん」とわざとらしく咳払った。
「……やっと起きた。このまま目覚めないのではと、心配したんだ」
──最近やたら優しいのはどういう心境の変化?
心配したなんて言って、また茶化したいのだろうと嘆息する。
けれど沈黙を保つレオヴァルトの眼差しはどこか不安げで、見つめられたユフィリアが恐縮してしまうほど。
「熱も下がったようだな」