《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
ただでさえこの男は顔がいい。ましてや憂いを帯びた眼差しともなれば、ユフィリアとて気を抜けばときめいてしまいそうだ。
──こりゃぁ、免疫つけなきゃ身がもたん!
不本意な気持ちを必死で揉み消しながら唇を窄める。
この際だから、白黒はっきりさせておこう。
「さっき私の頭を触ったでしょ……エロ黒騎士」
呟くようにぼそっと言うと、
「……は?」
綺麗な黄金の眼差しが一瞬で翳りを見せた。
──しめしめ。
あの顔でず〜っと見つめられたらたまったもんじゃない。
「……案外元気そうじゃないか。安心したよ」
「誤魔化さないでよ。眠ってる女の子の髪に触れて喜んでたわけ……?」
ジト目で睨めつければ、レオヴァルトの秀麗な面輪《おもわ》はシラを切るように目を逸せる。
「触ってない」
──怪しむまでもなく有罪確定。
「絶対、嘘」
「触ってない……と言うか。熱が下がったか確かめていただけだ」
「ほら、やっぱり」
「もっと触れて欲しかったのか?」
レオヴァルトは額に手を当てると、口角を上げて不敵な笑みを浮かべる。
「……はぁっ、ありえないんですけど!」
なんて悪態を吐《つ》きながら窓の外を見遣れば、見えるはずの景色が黒い闇に包まれている。
レイモンド卿の部屋からレオヴァルトに救い出された。だがその後の記憶が無い。