《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「な……?! 何を言い出すのよ、エロ黒騎士!」
「ユフィリアのグラシアを強大化させ、レイモンドの要求に応えるためだ」
「ま、交わりは要らないって言ったじゃない。だから契約を結んだのに……」
「要らないとは言っていない、良い考えがあると言ったのだ。だがそれはあくまでもユフィリアが『月夜の女神』である事が大前提だ」
「わかったわよ、もういい。結婚の契約なんて今すぐ破棄してやるからっ」
「残念だが《契約》という文言にはある種の力が宿る。一度結べば血印を押したのと同様の効力を持つ破約不可能な締結であって、無理に破ろうとすればどちらかが死ぬ」
「う……嘘でしょ……?!」
——聞いてないわよ、そんな事……っ
契約不履行が困難なのは事実だ。一度交わした《契約》は、たとえ口約束であってもそう簡単に解除できるものではない。
——「どちらかが死ぬ」とまで言ったのは、ちょっと揶揄いが過ぎたかな。
今度は蒼白になって両手で口元を覆っているユフィリアの可愛い焦り顔を見ながら「まぁいいか……」とほくそ笑み、レオヴァルトは慌てるユフィリアに更なる追い打ちをかける。
「婚礼式を挙げて夫婦となり、男女の交わりでグラシアを強大化させるしか道は無いようだな?」