《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「少しだけでいい。婚約者がすることだと思って、このままでいることを許してくれないだろうか」
いきなり真面目に「許してくれ」だなんて、どういう心づもりだろう。
「……仕事の疲れが癒える」
耳元で囁かれる、吐息混じりのレオヴァルトの声に困惑する。
──ひいっ。まったく、こやつは声までエロいんだから!
「ちょっとくらいなら、その、いいけど……」
──べつに、嫌な気持ちはしてないし……? でも、《《これ》》で癒されるって……なんで? レオには癒しの力、使ってないわよ?
ユフィリアはきょとんと小首を傾げてしまう。
よほど疲れているのだろうか。疲れが癒える、と言ったレオヴァルトは、ゆったりとユフィリアの背中を抱いたままだ。
生まれて初めて経験した『バックハグ』なるものに、一体どう対応すれば良いのか、わかない。
──んもうっ。もぞもぞしたいけど、今は動いちゃいけない気がする……!
「し、仕事って、魔獣の討伐に行ったの?」
「……ああ。明け方にな」
──そっか。《《魔力が弱い》》レオだから、魔獣一頭を倒すのにも、苦戦するのかも?
「……ふぅん」
なんて、今度は抱きしめられている間の手持ち無沙汰さに困惑する。