《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
胸の前で組まれたレオヴァルトの腕に目をやると、漆黒の騎士服に滲む「色」の違和感に気づいた。
「ねぇレオ。二の腕、ちょと見せて?」
背中から回された腕をほどいて、違和感のあるレオヴァルトの右腕を取ってまじまじと見つめる。
「ここ、怪我してるでしょ」
「ああいや、大したことはない。適当に処置しておけばそのうちに治る」
「だめよ。適当にして、もし感染でもしたら。そこの椅子に座って?」
レオヴァルトが抵抗しないのを良いことに、肌に張り付いた騎士服の袖をそうっと捲り上げた。
生々しい鮮血がぬるりと肌の上を滑る。
「ちょっと、だいぶ斬れてるじゃない!」
深い傷ではないものの、レオヴァルトの二の腕に沿って縦一文字に走る紅い線の上には、いまだジクジクと血が滲み出ている。