《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!

「痛かったでしょう、なんで黙ってたの? こんなのすぐに治してあげ」
「治せるのか?」

 レオヴァルトがユフィリアの言葉に被せるように言う。
 はっと気づいて、口元を押さえた。

 ──しまった、つい口が滑って!

「えええと、わわ私には、治せ……ない、かなぁぁ……」
 
 なにしろユフィリアは《切り傷さえも治癒しない無能聖女》で通しているのだ。

「グレースが部屋に帰ってきたら、治癒できるか頼んでみるからっ」
「この程度なら簡単な消毒で大丈夫だ。グレースの手を煩わせるほどじゃない」
「でも、傷が残るかもしれないし」

 レオヴァルトは小首を傾げると、口角を上げて微笑む。
 そして立ち上がりざまに、ユフィリアの頭にぽん、と手を置いた。
 大きな手のひらの温かさが頭の上に伝わると、また「すっ」と離れてしまう。
 
「スープが冷めてしまったな。私がいると食事も落ち着かないだろうから、もう行くよ」

「ねぇ」と、漆黒の騎士服の裾をつかんで引っ張った。
 ひどく遠慮がちな上目遣いで、ユフィリアはレオヴァルトを見上げる。

「その程度の傷なら……その……。治せる、か、も……?」





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 ここまで読み進めてくださって有難うございました。
 更新に間が空いてしまって申し訳ありません……!

 次話はいよいよ婚礼式!
 お砂糖盛りの甘い?初キッスシーンをがんばりました♡
 (そのあとはもちろん蜜月の夜も……攻めと逃げの攻防戦、どうなる?!)

 終盤戦に向けてレオヴァルトの従者たちや心強い新キャラが登場する後半!
 引き続き、我がまま聖女ユフィリアと波乱の黒騎士レオヴァルトをどうぞよろしくお願いいたします。

 

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