《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
この新婦が、数日がかりで暗唱した文言を大司教ルグリエット様の祝詞の最中ずっと呟き続けていたのは……暗唱がすこぶる苦手な彼女の努力に免じて大目に見てもらおう。
「ユフィリア?」
押し黙ってしまった新婦に、レオヴァルトが心配そうに目を向ける。
ユフィリアの視線の先には、あの時《《治せなかった》》レオヴァルトの腕があった。
『その程度の傷なら治せるかも』
そう言って、ユフィリアがレオヴァルトの腕の傷に手を翳してから、まだ一週間しか経っていない。
婚礼式の準備など有って無いようなものなので、式の申請をしてからはトントン拍子に事が進んだのだ。
──まさか、私のグラシアが弱体化するなんて……!