《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
レオヴァルトの腕に翳した手のひらからは消え入りそうな光がわずかに散るばかりで、切り傷の治癒はおろか、痛みの感覚を和らげる事すらできなくなっていた。
こんな事は初めてだ。
レイモンド卿の仕打ちによって傷ついた身体を、鞭打つように酷使し続けたからだろうか。
グラシアの弱体化など聖女たちの間でも聞いたことが無い。もっとも強大化があるのだから、弱体化があっても不思議では無いのだが。
一時的なものなのか、それとも。
──神聖力が戻らなかったら、どうしよう。
知識も情報も無いまま、不安ばかりが襲ってくる。
あの夜を境に、ユフィリアはその二つ名の通り『無能な聖女』になり果てていた。
──このままじゃ誰も救えない。乞い求める人たちのためにも、私は無能のままでいちゃいけないの……!