《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
拍手の中に、唇を喰まれた時の、痺れるような感覚の余韻までもが紛れてしまう。
ユフィリアのはじめての口づけは、とても長くて、けれど一瞬の出来事であった。
──はっ、初めて口づけを経験する乙女との婚礼式に、ああああんな、《《変な》》キスをするなんてっっ。とととトラウマになったら、どう責任取ってくれるのさっっ
無言で焦りまくるユフィリアを見て、レオヴァルトが甘さを含んだ声で言う。
「初夜の交わりの前に、キスの仕方を教えないといけないな」
「うぐっ」
揶揄われたような、小馬鹿にされたような。
腹を立てている筈なのに酷く気恥ずかしくて、自分でも驚くほど顔が火照って熱い。心臓は今も鋼のように跳ねている。
「……レオのばか」
厳かな拍手のなか、ぼそりと呟いた言葉はレオヴァルトには届いていないだろう。