《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
 いつもと違っているのは、レオヴァルトが漆黒のいかつい騎士服ではないこと。
 ユフィリアが膚着一枚なら、レオヴァルトも薄いシャツ一枚にブレーといった軽装だ。シャツの胸元を広く寛《くつろ》がせており、筋肉質な胸板がこれみよがしに覗いている。

 ユフィリアは目を丸くする。
 ぶ厚い胸板だけでもユフィリアにとっては《《眼福》》なのだが、更に興味を惹かれたのは、肘まで捲ったシャツの下に露わになったレオヴァルトの《二の腕》だ。
 
「まったく。私の妻の惚《ぼけ》っぷりには困ったものだな? まぁ、そういうところが可愛らしいのだが」

 言いながら、レオヴァルトは優しく目を綻ばせて寝台に膝を付く。
 ギシ、とマットレスを軋ませながら、そのままユフィリアの上に覆い被さった。

「ウン?」
 レオヴァルトの両腕に囲われながらも、ユフィリアの視線は《二の腕》から離れない。

「……ねぇっ。触ってみても……いい?」

 二の腕を指差しながら、一気に表情を明るくしたユフィリアがレオヴァルトを見上げる。じゃじゃ馬聖女からこんなに熱っぽい視線を向けられたのは初めてだ。

「あ、ああ……」

 戸惑いながらも仕方なくレオヴァルトが身体を起こすと、《《理想の二の腕》》を前に、ユフィリアは目を輝かせた。

「はぁぁぁっ、なんて綺麗なの……。最高よっ。これぞまさに私が求めていた二の腕だわ……」




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