《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
いきなり何を言い出すのかと、レオヴァルトが双眸を見開いた。「世界征服じゃないだろ」なんてツッコミを入れる空気でもない。
「実は……私っ。もう顔も覚えてないんだけど、大切な人がいたんだ。あっ、間違ってもルグランじゃないわよ? もっと、その……遙か彼方から持ってきた記憶というか、そういうのがあって。不思議なんだけど、ずっとその人の事が忘れなれないっていうか。ふふ……まるでおとぎ話、笑っちゃうでしょ? でも……そうなの。私はきっとその人の事を、心の底から愛してた。たぶん、今も、愛してる」
見れば、ユフィリアの頬がほんのり紅く染まっている。
レオヴァルトにも散々悪態を吐いていた威勢の良い我がまま聖女は、すっかり《《なり》》を潜めている。恋慕する相手を語る時の、恋する乙女の顔だ。
──ユフィリアにこんな顔をさせてしまうその相手とは。いったい何処の、どんな奴なんだ……?