《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
孤児であるユフィリアは農家を営む貧しい親戚の家に身を寄せていた。
食べるものもろくに与えられず一日中飢えていたユフィリアだったが、あるとき天からのギフト《神聖力》──グラシアと呼ばれる──を授かる。
夢の内容は、ここから。
『その噂は聖都にも届き、立派な修道服に身を包んだ神官がやってきて、ユフィリアを聖女として育てるべく村から連れ出そうとした。
しかし自分で大きな決断をするには、ユフィリアはまだ幼《おさな》すぎた。
激しく拒んで村に居残ったユフィリアを待っていたのは、育ての親からの酷い折檻と、その果ての……死。』
そんな悪夢を見た翌朝。
薄い布団の中で震えていると、なんと夢で見たままの強面の神官がユフィリアが住む家を訪ねてきたのだった。
『悪夢の通りに村に居残れば、死が待っている。』
幼心に察したユフィリアは、恐ろしさのあまりおとなしく応じる。
そのおかげか、悪夢で見たような悲惨な死を迎えることなく、十八歳になった今日まで聖都の中央大聖堂で生きのびている。
二度目に《夢》を見たのは十六歳、聖女認定の日の前夜。
『聖女の力を試す場で、ユフィリアは他を圧倒するグラシアを見せつけた。
ユフィリアの強大な力は隣国の王に切望され、その国の第二王子との婚姻を結ぶことになる。』
そして──夢の中で見た、あの悲劇が起こるのだ。