《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
レオヴァルトに「もう行きましょう」と促して、背を向けたユフィリアをまたもや罵声が呼び止めた。
「ねぇユフィリア! 聞いたわよ? あなた、子爵家のご令嬢にいただいたお菓子を突き返したそうね。こんなものを食べたって神聖力《グラシア》は回復しない。お菓子を持ってくるほど症状に余裕があるなら教会に来るな! って叫んだそうじゃない……!」
「身の程知らずも度を越せば哀れね、あれは自殺行為。レイモンド司祭様の助け舟がなければ首が飛んでいたかも?! 無能、つまり『能《のう》が無い』と言われるだけあって、頭の方もよろしくないようね」
首が飛ばなかった代わりに鞭が飛んだ。その結果が背中の傷だ。
「……っ」
治りきらない傷跡が皮膚の奥深くでズクリと脈を打つ。
背中に鞭を打たれた時の、身体じゅうに迸る灼けるようなあの痛みを、ユフィリア以外の聖女たちは一生涯知り得ないだろう。
レオヴァルトが隣に立つユフィリアを一瞥する。
昨日までの威勢の良さはどこに消えてしまったのか。唇を一文字に引き結び、睫毛を伏せた瞳は感情を持たないままどこか一点を見つめている。
ユフィリアが黙っているのを良いことに、聖女たちの悪態はとどまるところを知らないようだ。
「ねぇユフィリア! 聞いたわよ? あなた、子爵家のご令嬢にいただいたお菓子を突き返したそうね。こんなものを食べたって神聖力《グラシア》は回復しない。お菓子を持ってくるほど症状に余裕があるなら教会に来るな! って叫んだそうじゃない……!」
「身の程知らずも度を越せば哀れね、あれは自殺行為。レイモンド司祭様の助け舟がなければ首が飛んでいたかも?! 無能、つまり『能《のう》が無い』と言われるだけあって、頭の方もよろしくないようね」
首が飛ばなかった代わりに鞭が飛んだ。その結果が背中の傷だ。
「……っ」
治りきらない傷跡が皮膚の奥深くでズクリと脈を打つ。
背中に鞭を打たれた時の、身体じゅうに迸る灼けるようなあの痛みを、ユフィリア以外の聖女たちは一生涯知り得ないだろう。
レオヴァルトが隣に立つユフィリアを一瞥する。
昨日までの威勢の良さはどこに消えてしまったのか。唇を一文字に引き結び、睫毛を伏せた瞳は感情を持たないままどこか一点を見つめている。
ユフィリアが黙っているのを良いことに、聖女たちの悪態はとどまるところを知らないようだ。