《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「私っ……今までルグランの何を見てたんだろう」
聖女が十八歳になると恋仲の聖騎士と婚約し、ふたりで怪我人の治療に出掛けたり、教養や夫婦となるための《交わり》の教育を受ける。そうして結婚した聖女は大聖堂を出て、聖騎士の領地に赴くのが慣《なら》わしだ。
十八歳になって告白を受けたばかりのユフィリアと、二十一歳のルグランとの交際期間はさほど長くはない。
けれどユフィリアにとってルグランは、初めて自分を『守る』と言ってくれた頼れるべき騎士だったはずだ。
あれが『恋』だったのかは正直わからない。
けれど周囲に堅牢な壁を作るほど頑ななユフィリアも、ルグランには心を許していた。
「私はてっきりルグラン様が、ユフィに婚約を申し出るものだと思っていたわ」
若草色の瞳を伏せて、ユフィリアがふるふると首を振る。
「ううん。無能の肩書きを背負ったクズ聖女が、ましてや伯爵家の令息になんかまともに相手にされる筈なかった。ちょっと考えればわかったはずなのに、気付かなかった私が阿保だっただけ」
「きっとイザベラが強引に迫ったのよ。それでもっ、あの変わり身の速さには呆れちゃう……!」
グレースは背中に炎を背負って怒ってくれている。
聖女が十八歳になると恋仲の聖騎士と婚約し、ふたりで怪我人の治療に出掛けたり、教養や夫婦となるための《交わり》の教育を受ける。そうして結婚した聖女は大聖堂を出て、聖騎士の領地に赴くのが慣《なら》わしだ。
十八歳になって告白を受けたばかりのユフィリアと、二十一歳のルグランとの交際期間はさほど長くはない。
けれどユフィリアにとってルグランは、初めて自分を『守る』と言ってくれた頼れるべき騎士だったはずだ。
あれが『恋』だったのかは正直わからない。
けれど周囲に堅牢な壁を作るほど頑ななユフィリアも、ルグランには心を許していた。
「私はてっきりルグラン様が、ユフィに婚約を申し出るものだと思っていたわ」
若草色の瞳を伏せて、ユフィリアがふるふると首を振る。
「ううん。無能の肩書きを背負ったクズ聖女が、ましてや伯爵家の令息になんかまともに相手にされる筈なかった。ちょっと考えればわかったはずなのに、気付かなかった私が阿保だっただけ」
「きっとイザベラが強引に迫ったのよ。それでもっ、あの変わり身の速さには呆れちゃう……!」
グレースは背中に炎を背負って怒ってくれている。