恋の微熱に溺れて…
*
どうやら疲れてそのまま眠ってしまったみたいだ。気がついたら外がもう真っ暗だ。
まさか時間を忘れるほど、求め合ってしまうなんて。自分にこんな日が訪れるとは思ってもみなかった。
「…ん……、おはよう」
寝ぼけ眼な状態で、慧くんが目を覚ました。そんな姿が可愛くて。思わず笑みが溢れた。
「おはよう。まだ眠い?」
「うん。眠い。京香さんは…?」
「私もちょっと眠いけど、お腹空いちゃった…」
無我夢中になるまで求め合っていたせいか、体力を消費したのでお腹が空いた。
今はお腹を満たすことしか考えられないくらい、お腹が空いている。
「そうですね、俺もお腹が空きました。一旦、起きますか」
ベッドから起き上がり、二人でキッチンへと向かった。
「残り物の食材で簡単なのを作りますけど、それでもいいですか?」
慧くんだって疲れているはずなのに、率先して料理をしてくれる。
突然押し掛けてきた身で、文句なんて言えない。
それに慧くんの手料理が食べられるだけで、私は嬉しい。
「うん、大丈夫だよ。私も手伝うね」
ただ黙って待ってるのは嫌なので、私も手伝うことにした。
「ありがとうございます。こうやって一緒に料理をするのは二度目ですね」
慧くんに言われて気づく。確かにこれが二度目だと。
普段は外食か中食が多い。仕事終わりで会うこともあるし、お休みの日は外へ出かけることもある。