恋の微熱に溺れて…
「実はまだサプライズがあるんです」

俺は密かに用意していたサプライズがもう一つある。
そちらのサプライズの方が、実は緊張している。誰の手も借りずに一人で密かに準備をしたので、そのままの状態を保てているか心配だ。

「そうなの?どんなサプライズなんだろう…」

まだサプライズの中身を知らないのに、とても嬉しそうに喜んでくれる。
その嬉しそうな京香さんを見て、俺はサプライズを用意して良かったと心の底から思った。

「楽しみに待っててください。次の目的地へ行きましょう」

次の目的地はきっと京香さんも落ち着けるはず。だっていつもの俺達の場所だから。

「分かった。次の目的地へお願いします」

リードを任された。ここは期待に応えたい。次のサプライズこそ、一番成功させたいし、喜んでもらいたい。

「はい。任せてください。俺に付いてきてくださいね」

「うん。慧くんに付いていきます」

京香さんが手を差し出してきた。俺は京香さんの手を取り、店を後にした。


           *


車に戻り、次の目的地へと向かった。
そう。次の目的地は…。

「目的地へ着きました。最後はココです」

そう。最後の目的地は俺ん家だ。
本当は最初から最後まで豪華なサプライズにしたかったが、半年記念でそれは却って重すぎるのではないかと思い、程々にしておいた。
俺は京香さんと半年お付き合いできただけでも浮かれてしまうくらい嬉しくて。その気持ちがこうやって形として現れている。
それを重い…と思わずに受け止めてくれて。一緒に喜んでくれる。こんなに素敵な彼女とお付き合いできているという事実だけで、俺は毎日が記念日だと思えるくらい幸せだ。
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