恋の微熱に溺れて…
「京香さん、もう今年も終わるので、一言言わせてください。京香さんに出会えて、俺はとても幸せです。俺と付き合ってくれてありがとうございます。来年もよろしくお願いします」

今年ももう終わるという残り僅かな時間で、慧くんから感謝の意を頂いた。
私からすれば慧くんと全く同じ気持ちだ。私の方が慧くんと出会えて幸せだと彼に伝えたいくらい、今年は本当に神様に一生に一度の幸運を頂いた。
だからこそ感謝を述べたい。来年もこの幸運が続くことを願って…。

「こちらこそ私と出会って、お付き合いしてくれて、本当にありがとう。来年もよろしくお願いします」

お互いにお互いの想いを伝え合った。今年が終わる前に伝えられてよかった。
今年を振り返ってみると、本当に色々あった。私に彼氏ができたこともだが、まさか同僚にずっと想われていたなんて想像すらしていなかった。
それも含めて今となっては良い思い出だ。終わりよければ全て良し。今となってはそう思えるくらい、如月くんとの距離感も以前より良いものになった。

「俺の方こそありがとうございます。京香さんにそう言ってもらえて嬉しい」

彼は満面の笑みで、心の底から嬉しそうに言ってくれた。
その笑顔を見れただけで、私は今年一番の最高の瞬間になった。

「あと数秒で今年も終わりますね。三、二、一……」

テレビのカウントダウンに合わせて、慧くんも一緒にカウントダウンをする。
そしてテレビの画面にハッピーニューイヤーと表示された。

「京香さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

新しい年を迎えて一番最初に好きな人の側に居て、一番最初に新年の挨拶をする。
たったそれだけのことで新年早々、幸せな気持ちで満ち溢れた。

「こちらこそあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

私達はまだ新年の挨拶の余韻に浸っていたが、テレビの方はとっくに新年の挨拶なんて済ませて、アーティストさん達が次々にパフォーマンスを披露していた。
私達はそれを横目にぼーっと眺めていた。幸せな余韻に浸りながら。
そんな幸せな余韻に浸っていたら、通知音が鳴った。すっかり忘れていた。あけましておめでとうの連絡の嵐が止まないことを…。
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