恋の微熱に溺れて…
「それじゃ優希も着いたことですし、早速女子会を始めますか」

鍋とガスコンロとお酒をリビングのテーブルの上に置いた。
家に着いて早々、女子会を開始。我慢できなかった。久しぶりの女子会に心が躍っている自分がいる。まるで学生の頃に戻ったみたいに感じた。

「始めますか。ではまず乾杯しよっか」

優希ももう我慢できないみたいだ。仕事終わりの一杯は誰にも我慢できない。

「そうだね。そうしよう。はい、どうぞ」

お酒を優希に手渡した。私も早く飲みたいと伝えるために。
私が手渡すと、すぐに優希は缶の蓋を開けた。そしてそのまま缶を私に近づけた。

「乾杯」

私も慌てて缶の蓋を開け、「乾杯」と言い、優希が持ってる缶に近づけた。
そのまま缶を自分の口元まで運び、一気に口の中へお酒を放り込んだ。
疲れた身体にアルコールが染み渡り、平日の仕事モードから週末のお休みモードへと切り替わる。

「…ぷはっ。仕事終わりのお酒は最高だね」

その気持ちは痛いほどよく分かる。私も同じ気持ちだ。

「本当だね。最高だよ」

目の前にある鍋の存在を無視して飲み始めてしまう。そのせいで鍋に火をつけるのを忘れてしまった。

「京香、鍋は火つけなくて大丈夫?」

大丈夫ではない。うっかりしていた。火をつけたつもりでいた。
大慌てで鍋に火をつけた。これで鍋は無事に食べられる…。

「優希、教えてくれてありがとう。すっかり忘れてたよ」

「そういう時もあるよね。今日は長い夜になるからゆっくり気長に楽しもうね」

空気が悪くならないように、優希が気を遣ってくれた。
その優しい気遣いが本当に嬉しかった。その分、本当にゆっくり気長に楽しい夜を過ごそうと思う。

「そうだね。そうしよう。…さて、鍋がグツグツするまで暇だから、もう一杯飲みますか」

ソファから立ち上がり、キッチンへと向かった。冷蔵庫から新しいお酒を出して、優希に手渡した。

「優希、どうぞ」

「ありがと。いただきます…」

新しく手渡した缶の蓋をすぐに開けた。どうやら優希も今日はそれなりに飲むつもりみたいだ。
優希と飲むこと自体そんなにないので、こうして一緒に飲めるのが嬉しい。
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