恋の微熱に溺れて…
最近、平日にもお泊まりすることが増えた。
なので慧くん家に荷物を置かせてもらっている。
今夜も泊まる予定だ。平日の夜なのでエッチはしないはず…。
期待していないわけじゃない。好きな人と一緒に居るのだからしたいに決まってる。
でも最近は慧くんと一緒に眠るだけで満足している自分もいて。
彼の温もりを知ってしまった今は、彼と一緒じゃないと眠れなくなってしまった。

「うん。楽しみ…」

「帰りにスーパーへ寄ってもいいですか?今夜の食材を買いたいので」

お邪魔させてもらっている身なので、そこは慧くんの都合に合わせるのが当然だ。

「いいよ。全然遠慮せずに寄ってもらって大丈夫だよ。いつもお世話になってるから今回は私が出すよ」

寧ろこちらがお邪魔している身なので、食費を出したいくらいだ。
毎回割り勘にしようと言っているのだが、慧くんが出してくれている。
彼のしたいようにするのが一番だと思うが、これから一緒に暮らそうと思っているのであれば、生活費は折半した方がいいと思ってる。
このままでは慧くんにおんぶで抱っこしてもらっている状態になりそうなので、それはそれで彼の貯蓄が心配だ。
これからのことを考えると、今からその練習として今回は私にお金を出させてほしい。

「いえ、京香さんは家にお邪魔しているので、ここは俺に払わせてください。京香さんこそ遠慮しないでくださいね」

そう言われてしまうと、それ以上は何も言えなかった。
慧くんは一緒に暮らしていく上で、生活費についてどう考えているのか分からなくなった。
このままじゃダメだ。一度、ちゃんと一緒に暮らす前に話し合った方がいいと思った。
< 264 / 281 >

この作品をシェア

pagetop