激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
 店内は暗かった。青とピンクのLEDで装飾され、近未来的な空間が広がっている。
店員は銀色の体にピタっとしたスーツを着ていて、壁は宇宙船のようになっていた。

「なんかすごいね」
 紫緒がわくわくと言うと、大晴は輝かせていた顔を引き締めた。

「普通だろ」
 取り繕うのが面白くて、紫緒はまた笑いそうになった。

 席に着き、二人で注文を済ませたときだった。
 小学生らしき男の子が三人、通路から満面の笑顔で大晴を見ていた。

「先生、デート?」
「デートだろ!?」
「恋人?」
 三人が口々に言う。

「デートじゃねーよ」
「先生怒ったー!」
 きゃはは、と子供たちが笑った。

「学校でVRを教えたから、そん時の子たち。たまにあるだろ、外部から講師を呼ぶの」
 大晴が紫緒に説明した。

「お前らもVRやりに来たのか」
「教えてもらって面白かったから!」
「ここじゃお絵描きできなくて残念だった」
「でもゲーム楽しかった!」

「こら、あなたたち、邪魔しちゃダメよ」
 保護者らしき女性が現れた。すみません、と会釈をして、楽しそうに手を振る子供たちを連れて行った。
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