激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
「夜でも虹ってかかるんですね」
「原理は昼間の虹と同じですよ。写真に写すとちゃんと虹色なんだそうです。あなたは虹とご縁がおありですね」

「千暁さんこそ」
「私は紫緒さんと一緒にいるときばかり……ああ、虹が天と地をつないだように、あなたと私をつないでくれているのでしょうか」

「もしそうなら、嬉しいです」
 そんな素敵なことがあるだろうか。本当にそうならいいのに。

「虹と言えば」
 千暁は懐に手を入れると、虹水晶の勾玉を取り出した。

「今日、落とし物として届けられましたよ」
「あ! どこでなくしたのかと思ってました。良かった、見つかって」
 差し出されたそれに手を伸ばす。
 と、受け取った直後に千暁に両手で包まれた。

「初めて会ったとき、私は進路に迷っていました。あなたとの出会いが、私の迷いを晴らしてくれました」
「私はなにもしてないのに」

「あなたは自然体で人を救うのかもしれませんね。私にはあなたこそが天です」
「ほ、ほめすぎです!」
 神様に仕える人にそんなことを言われるなんて。ほんとの神様に怒られたらどうしよう。

 思わず神社のほうを見る。が、周囲には静寂があるだけで、なにも起こりそうはなかった。

「あなたへの崇敬はいつしか恋へと変わっていました。私はあなたが好きです」
 紫緒はただただ驚く。
< 240 / 241 >

この作品をシェア

pagetop