激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
 調整が終わるとキャラクーが消えて、自分の視点でVR空間を見ることができた。本当にその世界に自分がいるかのようだ。
 解説キャラが登場し、気の撃ち方をレクチャーされた。

 両腕を引いて気をためると、床が振動し始めた。
「床が動いてる!」
「気をためてるってことだよ」
 つっけんどんに大晴が教えてくれた。
 手を勢いよく突き出すと、青い弾が発射され、的を撃破する。

「すごい!」
「こんなんでいちいち興奮するなよ」
 大晴に突っ込まれたが、彼の声もなんだか弾んで聞こえる。

 練習が終わると、本番だ。
 大晴との対戦だが、彼はゲームに慣れているのか気を撃ちまくる。
 紫緒はぼろぼろにやられて惨敗だった。
 ゲームを終えてゴーグルとはずすと、満足そうな大晴の笑顔があった。

「お前弱いな」
「ひどい。初心者なのに……」
 しょんぼりとうなだれた紫緒に、大晴は慌てた。

「ゲームなのに落ち込むなよ。初心者なら、あれはどうだ」
 連れていかれたのは、VRバンジーだった。

「本当のバンジーすらやったことないのに」
 紫緒は及び腰だった。
「弱虫だなあ」
 大晴にせせら笑われ、紫緒はムッとした。
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