🍞 ブレッド 🍞 ~フィレンツェとニューヨークとパンと恋と夢と未来の物語~【新編集版】
家の中に奥さんとアンドレアはいなかった。
救急治療室には入れないが、近くで見守るために院内に詰めているのだという。
「ルチオさんも少し休んだ方がいいですよ」
しかし彼は力なく首を振った。
「横になっても眠れないんだ」
アントニオのことが心配でたまらないと言った。
「何か食べましたか?」
ルチオはまた首を振った。水以外何も口にしていないという。
「何か作りますね」
台所へ行って冷蔵庫を開けると、食材はいっぱい入っていた。
棚には日本製の調味料も揃っていた。
しかし、食欲のないルチオに何を食べさせればいいかわからなかった。
牛乳を温めることを考えたが、それでは一時しか腹に溜まらないので他にないかと考えると、卵に目がいった。
その途端、メニューが決まった。
パックから卵を3個取り出してボウルに割って入れ、箸でしっかり溶いた。
そこに麺つゆとみりんを入れて更にかき混ぜた。
それから小さなフライパンを火にかけると共に油をひき、卵液を流し込み、そして半熟になった頃合いで手前に巻いたあと奥にずらして、空いたスペースにまた卵液を流し込み、巻いた卵を持ち上げてその下に更に卵液を流し込んで手前に巻いた。
それをもう一度繰り返して焼き上がるのを待った。
形は歪だったがふっくらと焼き上がったので、それを皿に移して小さなナイフで切り分けてから、ルチオの元に運んだ。
救急治療室には入れないが、近くで見守るために院内に詰めているのだという。
「ルチオさんも少し休んだ方がいいですよ」
しかし彼は力なく首を振った。
「横になっても眠れないんだ」
アントニオのことが心配でたまらないと言った。
「何か食べましたか?」
ルチオはまた首を振った。水以外何も口にしていないという。
「何か作りますね」
台所へ行って冷蔵庫を開けると、食材はいっぱい入っていた。
棚には日本製の調味料も揃っていた。
しかし、食欲のないルチオに何を食べさせればいいかわからなかった。
牛乳を温めることを考えたが、それでは一時しか腹に溜まらないので他にないかと考えると、卵に目がいった。
その途端、メニューが決まった。
パックから卵を3個取り出してボウルに割って入れ、箸でしっかり溶いた。
そこに麺つゆとみりんを入れて更にかき混ぜた。
それから小さなフライパンを火にかけると共に油をひき、卵液を流し込み、そして半熟になった頃合いで手前に巻いたあと奥にずらして、空いたスペースにまた卵液を流し込み、巻いた卵を持ち上げてその下に更に卵液を流し込んで手前に巻いた。
それをもう一度繰り返して焼き上がるのを待った。
形は歪だったがふっくらと焼き上がったので、それを皿に移して小さなナイフで切り分けてから、ルチオの元に運んだ。