🍞 ブレッド 🍞 ~フィレンツェとニューヨークとパンと恋と夢と未来の物語~【新編集版】
2
「うまくいってるかい?」
週に一度のお決まり文句をルチオが口にした。
フローラとの手紙のやり取りのことだった。
進捗を聞くのを楽しみにしているのだ。
しかし、いつものようなウキウキした声を返すことができなかった。
「まあまあ……」
すると、「どうかしたのかい」と覗き込むようにして顔を見られた。
「ちょっと……」
「ふ~ん」
それ以上突っ込んでこなかったのでほっとしたが、その時、「あっ!」という声が聞こえた。
見ると、アントニオが床に倒れていた。
バランスを崩したようだった。
すぐに助け起こすと、ルチオと奥さんが血相を変えて寄り添った。
「大丈夫ですか」
アントニオは頷いたが、大丈夫そうではなかった。
自由の利かない右肘を打ったようだった。
弦は奥さんと共に抱えるようにして自宅へ連れて行った。
店に戻って「しばらく休んでもらった方がいいですね」とルチオに声をかけると、「悪いね、迷惑かけて」と頭を下げた。
「迷惑だなんて、そんな……」
弦は慌てて首を振って仕事に戻った。
「うまくいってるかい?」
週に一度のお決まり文句をルチオが口にした。
フローラとの手紙のやり取りのことだった。
進捗を聞くのを楽しみにしているのだ。
しかし、いつものようなウキウキした声を返すことができなかった。
「まあまあ……」
すると、「どうかしたのかい」と覗き込むようにして顔を見られた。
「ちょっと……」
「ふ~ん」
それ以上突っ込んでこなかったのでほっとしたが、その時、「あっ!」という声が聞こえた。
見ると、アントニオが床に倒れていた。
バランスを崩したようだった。
すぐに助け起こすと、ルチオと奥さんが血相を変えて寄り添った。
「大丈夫ですか」
アントニオは頷いたが、大丈夫そうではなかった。
自由の利かない右肘を打ったようだった。
弦は奥さんと共に抱えるようにして自宅へ連れて行った。
店に戻って「しばらく休んでもらった方がいいですね」とルチオに声をかけると、「悪いね、迷惑かけて」と頭を下げた。
「迷惑だなんて、そんな……」
弦は慌てて首を振って仕事に戻った。