任侠☆バイオレンスラブ

その後、ポツポツと会話をしながら学校の近くで車を停めた樹さん。



「ここからは歩いていくぞ。他の奴らに勘付かれるとマズイからな」



そういうと車を降りる樹さん。



ここからの距離なら1分もかからないし1人で大丈夫なんだけどな。



「1人で大丈夫ですよ?ここから1分もかかりませんし」



「ダメだ。その間になんかあったら大変だろ。いいから黙って校門までついてこい」



車をおりながら樹さんに大丈夫と伝えるけど、ダメだと一蹴されてしまう。



歩いて1分だし、その間に何かあるなんてことないはずなのに・・・過保護な気が・・・。



まぁ、多分何を言ったところで曲げないんだろうけど。



そう考え、大人しく樹さんの隣を歩きながら校門まで向かう。



「今日はバイトあるのか?」



「いえ、ないです」



樹さんが私の方を向きながらバイトの有無を聞いてくる。



本当は今日もバイトを入れてたんだけど、店長に“さすがに7連勤はダメだから!”と休みを入れられてしまった。



本当ならもっと働きたいけど・・・店長からそう言われてしまっては仕方ない。



でも、なんでバイトがあるかどうかを聞いてきたんだろ?



「そうか。・・・帰りも迎えに来る。その時にお前ん家に荷物取りに行くぞ。・・・何時に終わるんだ?」



「うーん・・・15:35には終わると思います」



「わかった」



帰りの時間を大雑把に答えると、懐からメモ帳を出してササッとメモを取る樹さん。



昨日も話してはいたけど、荷物を取りに行くみたいだ。



良かった、これで兵頭組の人に服とかを借りずに済みそうだ。



そんなことを話しているうちに校門まで辿りついた。



だけど、辺りでは女子生徒がザワザワとしている。



その視線の先は、私の隣にいる樹さんに向けられていた。



「樹さん、目立ってますね」



「知らねぇ。学校関係者じゃねぇやつがいて物珍しいだけだろ」



いや、多分違うと思います。



ツヤのある黒髪をオールバックして、顔立ちの整ってる正装の人が急に現れたから新任教師!?ってなってるんですよ、きっと。



「ほら、早く行け。時間押してるぞ」



「あ、はい。送ってくれてありがとうございました。帰りもお願いします」



「おう」



樹さんにお礼を言いながらお辞儀をして校舎に向かって歩いていく。



樹さんは私を見送ったあと車へと戻って行った。


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