Nightmare of Light.




「……元気でね、ニコ」


「ゆー…、み…?」



最後まで“ニコ”と呼んでしまった俺の弱さを。


きみの本当の名前は月島 音都。


いずれその名前で堂々と生きられるようにはしてあげるよ、俺が。

だってその名前は親からもらった大切な名前だろうから。


おまえにもぜったい────…音が聞こえる日はやってくる。



「今度はどうしたのさ。俺こう見えても妻子持ちなのよ、ナンパなら他当たってくれる?そもそも男にナンパされたところで───」


「俺を天鬼に入れてほしい」


「………そこまで堂々とした偵察なんか初めてだ」


「月島 有志を殺したんじゃなく破門だって言い張るなら、俺を納得させてみせてよ」


「…あのさー。おまえどの立場なのよ」



天鬼組の幹部であり、天才ハッカーとも呼ばれるいつかの男を前に、気づけば俺はあたまを下げていた。

自ら喧嘩ふっかけた相手にそんなことするなんて、俺はなんともトチ狂ったことを考えているわけだ。


偵察でもない。
スパイでもない。


逆に近いうちウワサになって、俺のほうが雲雀会から破門扱いにされる未来まで目に見えてる。



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