プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
 二杯目のカクテルも飲み終わり、さあ今日はもう帰ろうと再び帰る準備をしようとしたら、同じタイミングで柊仁たちが席を立った。どうやら彼らも店を出るようだ。

 女性たちはにこにこと笑っていて、よほど柊仁との時間が楽しかったのだと窺える。結婚式の二次会でも似たような光景を見たことだし、柊仁には女性を喜ばせるためのテクニックがいろいろとあるのだろう。

 女性たちが「ごちそうさま」と言いながら店を出ると、柊仁もそれに続いて店を出た。

 今、店を出れば、変に鉢合わせることになるかもしれない。もう少しだけ時間を置いてから出たほうがいいだろうと、莉都花は時間つぶしのためにスマホを取り出した。

 と、そこで店のドアが開く。また新しい客が入ってきたのかと何気なくドアのほうへ視線をやれば、店に入ってきたのはなぜか柊仁だった。

 しかも、柊仁は迷うことなく莉都花の隣へ腰かけてくる。

「りっかちゃん。久しぶり」

 莉都花は意味がわからないと、比較的冷たい声で「は?」と返してしまった。しかし、柊仁は構わずに話を続けようとする。

「一ヶ月ぶりだね」
「え、いや、何? あの、女の子たち外で待ってるんじゃないですか?」
「なんで? 外でバイバイしてきたけど?」

 てっきりここからお楽しみの時間にでも移行するのかと思っていたが、柊仁は女性だけ先に帰したらしい。予想とは違う展開だが、今さらもとの目的を果たそうとも思えない。

 莉都花は「そうですか」と呟き、今度こそ会計を済ませて店を出ようと、鞄から財布を取り出した。

 しかし、それを柊仁が慌てて止めに入る。
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