❁live your life❁
病室に入ると、おじさんの姿はなく海月が窓の外を一人で見ていた
「海月、ただいま」
パイプ椅子に座り、汐月に報告してきた事を話すと心配したのか めちゃくちゃ怒られた
「もう一人で彷徨(うろ)くな」
「…はい、ゴメンなさい。でも、少しでも早く汐月に報告したくて…それに、おじさんも海月とゆっくり話したいんじゃないかと思って…」
ボソボソと言い訳がましく話してるとグィッと腕を引っ張られ何故か海月の腕の中へ
トクン、トクンと規則的に聞こえる心臓の音
「…生きてる」
無意識に溢れた言葉を海月が拾う
「あぁ、お前のお陰だ。お前が居たから俺も、そして汐月も……」
そこで言葉は切れ、ギュッと抱きしめる腕に力が籠(こ)もる
「うん」
震えてる背中に、そっと腕を回し海月を抱きしめた
海月と一緒にいたくて病室で過ごしてると、窓の外は日が傾きかけていた