1日限りのニセ恋人のはずが、精鋭消防士と契約婚!?情熱的な愛で蕩かされています
だが男性はますます機嫌が悪くなって怒鳴りだす。
男性が腕を振り上げたのが見えたので、これは黙っていられない。
結都は飛び出して、男性の腕を捻り上げた。
「は、離せっ。貴様もタダじゃすまないぞ!」
「それはどうでしょう。私は先ほどの会話をたまたま聞いていましたし、ホテルには防犯カメラがあちこちに設置されているんですよ」
ハッと気がついたのかキョロキョロと廊下の隅を見渡している。
「くそっ」
「このままお引き取りになった方がいいのでは? それとも警備員を呼びますか?」
男性は少しは冷静になったのか、小声でぶつぶつと言いながら足早に去って行った。
男の姿が見えなくなってホッとしたのか、女性は壁にもたれかかってしまった。
「大丈夫ですか?」
「は、はい。ありがとうございました」
あの男に腕を握られて怖かっただろう。女性がやっと視線を俺の方に向けてきた。
その顔を見た瞬間、思わず目を疑った。
「君は……」