ご先祖様の力を借りて。
「あっ、そこの人! ちょっと手伝って!」


声をかけられて、立ち止まる。

声がした方向には、五人の人が何十体もの妖と戦っていた。

……こっちの方に、校門の妖も来たのかな?

そう考えて、妖に風の刃を向かわせる。

弱い妖しかいなかったのか、全部一撃で倒せた。

……あ、ちょっと葉っぱが散った。

まぁ校舎じゃないからいいかな。

少し散ってしまった葉っぱを気にしていると、戦っていた人が話しかけてきた。


「助かった! ありがとう、君!」

「別に……」


たぶんあの妖の中には校門の方にいた妖もいたと思うので、倒せなかった分を倒しただけだ。

……音がしたから、こっちに来たのかな。

私は静かに倒していたし。

そう考えながら、別の場所に向かう。

まだまだ妖は残っていると思うし、倒していかないと。




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