ご先祖様の力を借りて。
「私、昨日気づいたことがある」

「……どうした?」

「海晴が倒れて、守って、攻撃できなくて。でも、妖を倒さないといけない」


海晴は急に話し始めた私に驚いた様子だったが、真面目な話だとわかりしっかり聞き始める。

私は話を続ける。


「だから自分を守ってた結界を使った。自分が怪我してもいいから、海晴を守りたかった」


海晴は、驚いたように話を聞く。

私は海晴に向かって微笑む。


「帰ってきてから、この気持ちが恋だと知った……私はたぶん、海晴が好きだ。これからずっと守るから、私と付き合ってくれないかな?」


私の告白に、海晴は目を丸くした。

そして顔を赤くする。

それを隠すように、顔を逸らして手で顔を覆う。

……きゅん、という音が聞こえた気がした。

可愛い……とても可愛い。

愛摛の友達は、好きな人がかっこよく見えるらしいが……私には可愛く見える。

いや、この前頼もしく見えたこともあったか。

少し前を思い出していると、海晴が小さく口を開いた。
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