ご先祖様の力を借りて。
「……俺も、たぶん美霊のことが好きだ」

「本当?」

「ああ、好きでなければ一緒にいない」


その言葉に、胸が暖かくなる。

思わず頬が緩んで、にやけてしまう。

それを隠すため、手で顔を覆う。

恥ずかしくて、目を合わせられない。

そんな私に、海晴が話しかける。


「……連絡先を交換するか? してなかっただろう」

「うん、する」


私は頷いて、パスワードを解除したスマホを海晴に渡す。

海晴は慣れた様子でスマホをいじった後、私に返した。

これで、連絡できるようになったかな?

私はスマホをぎゅっと握りしめて、ポケットにしまった。

ちょうどその時、直斗さんが医務室に帰ってきた。


「戻ったよ、海晴は起きたかい?」

「起きた」

「そうか、おはよう海晴」

「おはよう」
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