ご先祖様の力を借りて。
直斗さんは海晴に挨拶をして、椅子に座る。

……私も、そろそろ帰ろうかな。

そう考えて、海晴に伝える。


「私、部屋に帰るね」

「ああ、またな」

「帰るのかい? またね」

「また」


挨拶をして、医務室を出る。

……もうちょっと海晴といたかったけど、直斗さんが戻ってきたし帰らないと。

私は少し寂しくなりながら、自分の部屋に向かう。

寂しいからか、いつもより遠く感じられた。

自分の部屋につき、部屋に入る。

すると、早速ご先祖様たちが話しかけてきた。


『ねぇ、ちょっと。告白してたよね、付き合ってたよね?』

『え? そうなのかしら?』

「告白はしましたし、付き合うことになりました」


私がそう答えると、ご先祖様たちは興奮したように声を上げた。

さっき、ご先祖様たちは優幻様以外ついてきていなかった。

久しぶりに会った人たちと、話したかったみたいだ。

でも、そんなに聞くならついてこればよかったのにと思う。

優幻様は私と離れたくなくて、ついてきたようだ。
< 134 / 149 >

この作品をシェア

pagetop