ご先祖様の力を借りて。
天見様と円力華様が答えると、三人は納得したように頷いた。

……まだまだ話してそう。

そう考えていると、お母さんと優幻様がこちらに来た。

楽しそうに話しながら、こっちにも話しかけてくる。


『海晴くんはかっこいいし、いい人よね〜。美霊を庇ってくれたのがよかったわ〜』

『ああ、あの話? 庇ってくれるなんて、かっこいいよね。美霊はどう思う?』

「私も、かっこいいなと思います」


私はうなずく。

たぶんあの時くらいから、海晴のことを好きだったと思う。

……だって守ってくれたのがかっこよかったし。

私は前を思い出して、少し顔が赤くなる。

そんな私を、お母さんと優幻様がからかってくる。


『顔、赤くなってるよ。海晴のことを思い出してるの?』

『青春ね〜、懐かしいわ〜』


恥ずかしくなって、クッションに顔を埋める。

お母さんと優幻様は『あらあら』と呆れた様子だ。

でも恥ずかしいから、仕方ない。

私はしばらく、そのままでいた。




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