ご先祖様の力を借りて。

第十一話 デートの日

今日はデートだ。

少し前に愛摛とお買い物に行き、その時に選んでもらった服を着ている。

難しいことばかりを言っていてあまりわからなかったが、最終的に水色のワンピースを買った。

靴下と靴、髪留めも買ったので、それを着ている。

愛摛は興奮した様子で、『似合ってる』と言っていた。

……でもワンピースはスースーして、落ち着かない。

いつもズボンを履いていたからだろうか……

私は落ち着かない様子で、食堂の椅子に座っていた。

待ち合わせに海晴が選んだのは、食堂だった。

人がたくさんいるので、ぼーっとしていると話し声が耳に入ってくる。


「最近妖減ったよね」

「強大な妖が倒されたみたいだよ」


誰かが話している通り、最近強大な妖が倒されたみたいだった。

五家が力を合わせて、なんとか倒したらしい。

そのおかげか、妖の数も減っている。

お仕事の量も戻ってきているし、安心している。

妖のことを考えていると、海晴が話しかけてきた。


「すまない、待たせた」

「別にいい。どこに行く?」

「水族館に行く予定だ。平気か?」

「うん、行こ」
< 138 / 149 >

この作品をシェア

pagetop