ご先祖様の力を借りて。
私はそう言って、立ち上がる。

そのまま海晴と一緒に、食堂を出ていく。

すれ違う人たちは、私と海晴が一緒にいることに驚いた様子だった。

……いつも驚かれるけど、どうしてなのかな?

私は疑問に思って、聞いてみる。


「海晴といると驚かれるけど、どうして?」

「……俺はあまり人といることがなかったから驚いているんだろ」

「そう……」


人と一緒にいることがなかったのか……

なんだか少し、ほっとする。

……私以外の人と話したって考えると、少しもやもやするから。

これが愛摛の言ってた嫉妬、ってやつなのかな?

そう考えながら、お屋敷を出る。

水族館か……行ったことはないけど、聞いたことはある。

水槽に魚がたくさん入っていて、綺麗って。

楽しみだ。




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