ご先祖様の力を借りて。
海晴は、そう言って顔を逸らした。

私はもう一度、撮ってもらった写真を見る。

……本当に綺麗に写っている。

これなら来なかったご先祖様たちに水族館の綺麗な水槽を見せられそう。

そう考えて、嬉しくなった。

そんな私に、海晴が話しかけてくる。


「そろそろ次の水槽に行かないか?」

「うん」


私は頷いて、海晴と一緒に移動する。

次の場所には小さな水槽が並んでいて、それぞれ綺麗な魚が泳いでいた。

近くにあった水槽に駆け寄って、早速写真を撮る。

小さな水槽に入っていた魚はゆっくり泳いでいたので、私でも綺麗に写真を撮ることができた。

それにしても、小さい水槽も大きい水槽とは別の綺麗さがある。

大きい水槽は広くて幻想的だったけど、小さい水槽は鮮やかでして明るい感じがする。

私は小さい水槽に見惚れながら、大きい水槽との違いを楽しんでいた。

しばらく眺めて、別の小さな水槽を見に移動する。

写真を撮ってから、水槽の魚を観察する。

さっきの水槽の魚とは違い、落ち着いた色合いの魚だ。

私はこちらの水槽の方が好みだな……

落ち着いた色合いが、とても綺麗だ。

そう考えながら、別の水槽へと移動する。

その後も水槽を一個一個、写真を撮って眺める。

どの水槽も綺麗で、写真をたくさん撮ってしまった。

そんな満足げな私に、海晴が話しかける。
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