ご先祖様の力を借りて。
『荷物は置いてもいいんじゃないかしら?』

「あ、そうですね……」


はっとして膝の上に置いていた荷物を、地面におく。

……さっきの話が気になっていたから、少しぼーっとしてしまっていた。

ご先祖様たちは周りに人がいる時、独り言みたいになるから話しかけてこない。

今は人が近くにいないから、話しかけてくれたみたいだ。

ぼーっとしながら、考える。

私の術が限界を超えると、どうなるのかな。

現世に来れるご先祖様の数が増えるのか、憑依できる数が増えるかのどっちかだと思うけど……

まぁ限界は越えることは超特別って先生も言っていたし、考えるだけ無駄かな。

そう結論づけて周りを見てみると、人が増えてきた。

時計を見てみると、そろそろ鐘が鳴る時間だった。

……結構考えてたみたい。

私は水筒の水を飲んで、立ち上がる。

先生もちょうど、体育館に入ってきた。


「じゃー授業始めてくぞー。今日は自分の限界を知るために、ギリギリまで術を使え。限界はなんとなくこれ以上はダメだなってわかるぞ」

「「「はーい」」」
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