ご先祖様の力を借りて。
クラスの人たちは元気よく返事をして、術を使い始めた。

私も天見様に憑依してもらって、術を使う。

天見様の術は、いろいろなことを見ること。

だから今日は食堂のメニューを何回か見て、限界を確かめてみようと思う。

目を閉じて、集中する。

今日のメニューは……エビフライ、かな?

美味しそう……あぁ、別のものも見ないと。

デザートはぶどうゼリー、野菜のスープもついていて、美味しそう……

……すごくお腹空いてきた、どうしよう。

メニューを見るのをやめて、目を開ける。

……まだ限界は確かめられてないけど、すごくお腹が空いてしまった。

次はお昼だし、あと少しだけど……もう少し何かを見てみようかな。

そう考えて、もう一度目を閉じる。

今度は……未来でも見てみるか。

未来……ここは、特別体育館?

目を閉じて見えた場所は、今いる特別体育館だった。

周りに妖がいて、中に入ろうとしている。

私ははっと目を開いて、先生に伝えにいく。
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