ご先祖様の力を借りて。
「僕は水治(みずはる)直斗(なおと)だよ。医療系の術だから、いつもここにいるよ」

「私は神影美霊、怪我したらくる」

「でも、怪我はしないように気をつけてね」

「わかった」


私はうなずく。

それにしても、治す専門の人がいたのか。

……それなら怪我しても学校に行けるし、お金もかからないな。

痛いのは嫌なので、できるだけ怪我はしたくないけど。


「それで、海晴。今度はどうして怪我をしたんだい?」

「……攻撃を弾いた時に、少し」

「はぁ……またそれかい」


二人が話し出したので、近くにあった椅子に座って聞いてみる。

そういえばまた、と言っていた。

そんなに怪我が多いのか。

少し、心配になる。

そんな私を気にせず、二人は会話を続ける。


「いつもそう言ってるけど、本当はどうしたんだい?」

「……別に、嘘ではない」
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