今日は我慢しない。
「そうか……それも全部私を守るための、嘘……?」
それから頭を抱えて呆然とする。
いつも冷静な鶴城大臣とは思えない取り乱し方に、私も胸騒ぎがおさまらない。
「どういうことですか……?」
鶴城真澄は一度水を飲んで軽く深呼吸してから話し出す。
「……当時、私には以前より両親の決めた婚約者がいた。これから政治家としての道を歩もうという大事な時期で、所帯を持って落ち着かなければと私自身もその人との結婚に納得していたんだ。だが……運命の人に出会ってしまった。私にはこの人以外あり得ない、この世の他の誰にも渡したくない、絶対に離したくないと思うほどに、愛してしまった。それが紗世だ。彼女も私を心から愛してくれていたと思う。幸せだった。ただ、彼女がいつかどこかに行ってしまうのではと不安でもあった。彼女は私の立場に引け目を感じていたから。だから私は彼女を早く自分のものにしようと躍起になって、戸惑う彼女と無理やり番契約を交わした。政治家を辞めて家と縁を切り、一般企業に就職しようと決めていた。だが……紗世はそれが私のためにならないと思ったのだろう。『番契約は失敗していた』『ほかに好きな人がいる』と言って、いなくなってしまった」
それから頭を抱えて呆然とする。
いつも冷静な鶴城大臣とは思えない取り乱し方に、私も胸騒ぎがおさまらない。
「どういうことですか……?」
鶴城真澄は一度水を飲んで軽く深呼吸してから話し出す。
「……当時、私には以前より両親の決めた婚約者がいた。これから政治家としての道を歩もうという大事な時期で、所帯を持って落ち着かなければと私自身もその人との結婚に納得していたんだ。だが……運命の人に出会ってしまった。私にはこの人以外あり得ない、この世の他の誰にも渡したくない、絶対に離したくないと思うほどに、愛してしまった。それが紗世だ。彼女も私を心から愛してくれていたと思う。幸せだった。ただ、彼女がいつかどこかに行ってしまうのではと不安でもあった。彼女は私の立場に引け目を感じていたから。だから私は彼女を早く自分のものにしようと躍起になって、戸惑う彼女と無理やり番契約を交わした。政治家を辞めて家と縁を切り、一般企業に就職しようと決めていた。だが……紗世はそれが私のためにならないと思ったのだろう。『番契約は失敗していた』『ほかに好きな人がいる』と言って、いなくなってしまった」