今日は我慢しない。
 てかそう言う佐柳は、普通過ぎない?

 昨日あんなことがあったのに。

 ちょっとイラっとして、わずかに唇が力んだ。

 気を取り直そうと、私も机の中から資料を取り出し席に着く。

 それからしばらく、黙々と仕事を片付けていく。

 不意に喉が渇いて水を飲もうとバッグから水筒を取り出そうとしたとき、シャツの袖を捲った佐柳の腕が目についた。

 包帯してる。

 ……昨日、佐柳が自分で噛んだところだ。


「……」


 昨日の佐柳、辛そうだったな。

 それなのに、優しかった



 『上手だよ三条』『そのまま気持ちよくなることだけ考えて』

 『ん、んん~……っ!』



 まんまと昨日のことを思いだした。

 カッ!と顔が熱くなって、慌てて俯く。


 わ~~~っ、思い出さないようにしてたのに!



「そうだ三条」





 そのタイミングで佐柳が立ち上がって、私の元へ歩いてくる。


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