人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 その日の帰宅後、いつものように先に帰宅していた勇朔さんに今朝のことを話した。

「官舎の共用部の掃除ですか。入居するときに、土日の当番表をもらいましたが、確かに平日については書かれていませんでしたね」

 勇朔さんは言いながら、顎に手を当てる。

「それって、もちろん〝うち〟も入ってますよね?」

「ええ。明日、ゴミ置き場の掃除当番ですね。でも、それは俺がやるので」

 やっぱり、そうだったのか。優しい勇朔さんのことだから、私に負担にならないようにと言わないでおいてくれたのだろう。だけど、今は私もこの官舎の住人だ。

「私、やります。ただでさえ勇朔さんはご飯に掃除に至れり尽くせりで、私の出る幕がないので。それに、その方が官舎の皆さんとも仲良くなれるかなって」

 別に仲良くなりたいわけじゃない。だけど、〝千歳さん探し〟が、忙しそうな勇朔さんの負担になっているらしいのは事実だ。私も、できることからやらないと。
 勇朔さんは「そうですか」と言うと、こちらに優しく微笑んだ。

「そういうことなら、お願いできますか?」

「はい!」

 私も笑顔で、そう返事をした。
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