人探しをしていたはずなのに、優しすぎるエリート自衛官に溺愛されています
 その日から、私は官舎の方々との交流すべく、共用部の掃除をはじめた。

 春海さんに言って、平日のローテーションにも多めに入れてもらった。彼女は恐縮していたが、「私も皆さんと仲良くなりたいので」と言うと、申し訳無さそうにしながらも私に頼んでくれた。

 季節が春に向かっていく中で、私は官舎の皆さんと、だんだんと仲良くなっていた。

 昔に助けてもらった〝千歳さん〟を探していることを自衛官やその家族の方に告げると、「知り合いにも聞いてみるよ」とか、「前にいた駐屯地のやつに聞いてみます」など協力してくれるようになった。
 改めて、自衛官の皆さんは優しいと思う。

 そんなある日、勇朔さんの家を出る時間に合わせて掃除のために外に出た。
 勇朔さんを見送った私は、掃除用具を手に共用廊下へ戻る。掃き掃除をしていると、ちょうど向こうからやってきた成田さんと鉢合わせた。これから出勤らしい。

「おはようございます」

 彼は背中になにかの入った大きなケースを背負っている。私が声を掛けると、「おはようございます」と笑顔で挨拶を返してくれた。

「やっぱり羽田一尉と仲良しですよね。部屋の窓から見てましたよ。下までお見送りされるなんて、素敵です」
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