募る想いは果てしなく
 ゆっくりとベッドに近付く。
 微かな寝息を立てて眠っている、そのあどけない表情に頬が緩んだ。
 可愛い。何時間でも見ていられる。
 余計寝れない。

 対して七瀬は熟睡中だ。
 目覚める気配は一切ない。
 それだけ信頼を勝ち得てる証だとしても、嬉しい反面、もどかしい気持ちに苛まれる。

 こんなに近いのに、まだ遠い。
 よくも呑気に寝ていられるものだと感心する。
 こっちの気も知らないで。

「……これくらいは許せよ」

 そっと前髪を避けて、露になった額に唇で触れる。
 甘いシャンプーの香りが、ふわりと鼻腔を掠めた。



 いまだに男として見られていない現状。
 4年という歳月をかけて築き上げた関係を越えるのは、きっと容易な事じゃない。

 けれど、引くつもりはない。
 やっと巡ってきたこの機会を逃さない。
 今の関係を壊すことになっても、想いは必ず告げる。そう決めた。
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