募る想いは果てしなく
 入社してまだ半年の彼女。
 物怖じしない性格で、皆に可愛がられている。
 真面目だし、ハキハキとした声も好印象。
 でもこの子の魅力は他にもあって。

 どんな仕事に対しても、真摯に取り組む姿が印象的なかなえちゃん。
 ただ、物覚えが異常に早い。
 1度教えれば大抵の業務は出来てしまう。

 頭の回転が速いだけじゃない。
 無意識に、記憶のインプットとアウトプットを素早くこなしているのだと思う。
 なかなか出来ることじゃない。
 ある種の才能かもしれない。

 もし今のメンバーから次期サブマネ最優力候補を選ぶとしたら、私だったら間違いなくこの子を選ぶ。
 この若さでこの出来具合。
 この才能を埋もれさせてはいけない。

 そんなかなえちゃんも、やっぱり女の子らしい一面を持ってるんだなあ、と改めて思い知った。
 キラキラした眼差しで私を見上げる瞳。
 ガールズトーク好きな女子のそれだ。

「男女の友情かあ」

 男女の友情は成立するか否か。
 人生で1度は問われる古典的なテーマ。
 女子ってこういう話題好きだよね。

「私、男女の友情は成立する派なんだよね」

 正直言うと、この手の話は興味ない。
 でも楽しげな雰囲気を壊すのも悪いし、とりあえず会話に乗ってみる。
 えー、と周りがざわつく中。
 かなえちゃんが更に私に詰め寄った。

「そうなんですか? じゃあ七瀬さんと早坂さんって、恋人にはならないんですか?」
「へ?」
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